鬼丸国綱
2020年 1月 8日 09:00
鬼丸(おにまる)は、天下五剣の一つに数えられる日本刀(太刀)。鬼丸国綱(おにまるくにつな)とも呼ばれる。 鎌倉時代初期、山城国の京粟田口派の刀工で、粟田口六兄弟の末弟である国綱の作。刃長二尺五寸八分(約78.2cm)、反り一寸一分(約3.2cm)。鎌倉時代に入り、太刀の刀身の反りが大きくなり、またそれまでの太刀に顕著であった「腰反り」から刀身全体が均等に反っている「輪反り」(「鳥居反り」とも)へと移行した時期の太刀で、先代、また後代の「太刀」と比べても大きな反りを持つ。 「鬼丸」という号の由来は太平記に記載がある。それによると、北条時頼が毎夜毎夜、夢の中に現れる小鬼に苦しめられていた。ある夜、夢の中に老翁が現れ、「自分は太刀国綱である。ところが汚れた人の手に握られたため錆びてしまい鞘から抜け出せない、早く妖怪を退治したければ早く自分の錆を拭い去ってくれ」と言った。早速国綱を手入れし部屋に立てかけておいたところ、国綱が倒れかかって、火鉢の台に施された細工の首を切り落としたという。時頼の部屋にあった火鉢の足は銀で作られた鬼の形であった。それ以来時頼の夢に小鬼は現れなくなった。この事件によりこの太刀を「鬼丸」と命名したといわれている。 「天下五剣」のうち鬼丸国綱だけは御物であるために国宝及び重要文化財としての文化財指定を受けていない。御物としての性格上一般公開されることも少なく、書籍等に掲載される写真も数少ない機会に撮影されたものに限られている。 ガンタロが一生のうちに見たい一振りのひとつです